こちらは哲学の道にもほど近い銀閣寺。
正式名称を東山慈照寺といい、相国寺の塔頭寺院の一つ。
銀閣寺の名の由来は江戸時代、金閣寺に対し、銀閣寺と称せられることとなったといわれています。銀閣寺は美の求道者ともいえる足利義政の精神のドラマを五百年後の現代にも脈々と伝えています。
https://www.shokoku-ji.jp/ginkakuji/about/
「わびさび」で知られる東山文化。
そんな文化を築いた文化人なだけあって、政治の方はイマイチと評されるようだけど、500年経っても人を惹きつけ続ける文化を築いたことは大きな実績。
外の哲学の道は満開の桜なのに、銀閣寺の中は自然に育ったと思われる椿以外は咲いておらず。
とても渋い。苔の色。
全体として月をテーマにしているのか、静かな世界。
こちらは洗月泉(せんげつせん)。
月が映し出されたときに、さざなみが月を洗っているように見えることからその名前がつけられたそうな。なんて美しい由来。
今はパワースポットとして有名らしい。
銀閣寺で一番のみどころというか、一番不思議な物体はこちらの向月台(こうげつだい)と銀沙灘(ぎんしゃだん)か。
とにかく管理が大変そう・・・と感じさせる砂の造形。
- 向月台に乗って東山の月を眺めた
- 銀沙灘は月の光を寺内に反射させるため
などなど、様々な俗説がありつつも本当の理由は分からないし、近世以降の発想ではないかと言われているらしい。
誰がいつ考えたにせよ、なんてモダンなんだろう。
個人的に感銘を受けたのは「お茶の井」。
湧水で、足利義政も現在もお茶会の飲料水として利用されているらしい。
「水は天の恵みであるだけではなく、地の恵みでもあるのだ」と、静かに湧き出る水を眺めていて感じた。
銀閣寺の散策は心が静まる。
一見刺激のない世界なのだけれど、そんな中で小さな刺激に意識が向く。
風で揺れる池の水面(みなも)とか、落ちた椿の上を這うアリとか。
小さな刺激に意識が向くうちに心が鎮まっていく。
室町幕府という戦乱の時代にこの場を作った足利義政の心境を想像した。